TOWARD 2030
2030年に向けて
住宅のCO2を減らすために、沖縄でできること
ESG・SDGsの視点から考えます
Why Now
住宅のCO2を「見える化」する時代になります
2026年7月、建築物省エネ法が改正され、建物の一生(資材の製造から解体まで)で出るCO2を評価する ライフサイクルCO2(LCCO2)の制度が創設されました。 国内のCO2排出量のうち、建築物に関わるものは約4割を占めます。 「カーボンニュートラル」の実現に向けて、これからはCO2排出量の少ない建物が求められます。
大規模な建物5,000㎡以上
着工の14日前までに、CO2の算定結果を国へ届け出る義務がかかります。
住宅を含むそれ以外全規模
建築主は評価が努力義務、建築士は説明が努力義務となります。
制度の開始スケジュール
2028年度の開始が予定されています。いまのうちに準備を始められます。
出所:国土交通省「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会」の公表資料をもとに作成。制度の詳細は今後の政省令等により変わる場合があります。
Rising Temperature
沖縄の気温は、
上がり続けています
しかも、近年ほど上がり方が速くなっています
那覇
+1.20℃
100年あたり
沖縄地方の平均
+1.69℃
100年あたり
1971年以降のペース
+2.37℃
100年あたりに換算
2024年の那覇
24.4℃
統計開始以来の最高
那覇の年平均気温(30年ごとの平均と、2024年)
1930年
1960年
1990年
2020年
棒は21℃からの高さで表示しています
出典:沖縄気象台「沖縄の気候変動監視レポート2022」(100年あたりの変化傾向)、沖縄気象台「2024年の沖縄地方の天候」(2024年の那覇24.4℃・平年差+1.1℃)、気象庁「過去の気象データ」(那覇の年平均気温。30年ごとの平均は当事務所が計算。1991〜2020年の23.3℃は気象庁の平年値と同じ)。
暑さは、住まいのエネルギーと健康にも直結します
気温が上がるほど、冷房に使う電気が増え、CO2も増えます。熱帯夜が続けば、眠りや体への負担も大きくなります。断熱と健康 ›
In Okinawa
沖縄は、減らした効果が大きく出ます
同じ1kWhを減らしても、CO2の減り方が違います
電気1kWhあたりのCO2排出量
沖縄で電気を1kWh減らすと、全国平均の約1.5倍のCO2削減になります。
石炭火力の比率が高いためです。電気代が高いことと同じ理由で、省エネの取り組みが最も報われる地域だといえます。
出所:沖縄電力の公表値(2024年度実績)および資源エネルギー庁「電気事業者別排出係数」をもとに作成。
Whole House
省エネ住宅なら、CO2を84%減らせます
当事務所が設計した住宅の設計値と、基準住宅との比較です
35年間のCO2排出量(累積)
棒の長さは排出量。点線の部分が、ZEH住宅で減らせた量です
35年間の削減量
−113.3 トン
削減率 84.0%
杉の木にたとえると
約1万2,900本分
35年間で減らすCO2は、
杉 約1万2,900本が1年に吸収する量
試算の条件を見る
※★は建築物省エネ法の省エネ性能ラベル(エネルギー消費性能)の評価です。当事務所が設計した住宅の設計値による試算例です。基準住宅との比較で、住宅の条件により結果は異なります。杉の本数は、林野庁の目安(36〜40年生のスギ1本が1年に吸収するCO2 約8.8kg)で、35年間の削減量(113.3トン)を換算しています。
By Equipment
どこを変えると、どれだけ減るか
いまの住まいでも、設備を替えるだけで減らせます
試算の条件を見る
いずれも1年あたりのCO2削減量です。杉の本数は、林野庁の目安(36〜40年生のスギ1本が1年に吸収するCO2 約8.8kg)で換算した、同じ量を吸収するのに必要な本数です。沖縄は日射量が多い地域(年間の日射地域区分 A4・A5)で、太陽光の発電量や太陽熱の集熱量が多くなります。電気1kWhあたり0.68kg、LPガス1m³あたり約6.0kg(日本LPガス協会が示す地球温暖化対策推進法の係数2.99kg/kgに、1m³=約2.0kgとして換算)として計算しています。太陽熱温水器は自然循環式(ポンプなし)で、ガスの使用量が年199.1m³から99.6m³に減る場合です。エアコンは4.0kW(14畳)クラスの期間消費電力量(10年前の機種1,544kWh/省エネ機種1,146kWh)の差で、冷房と暖房の両方を含みます。資源エネルギー庁も同じ区分で、2010年度基準から2027年度基準への買い換えで年間約397kWhの削減を試算しています。
効くのは太陽光と給湯です。
エアコンの交換も電気代には効きますが、CO2で見ると太陽光と給湯が桁違いに大きくなります。予算が限られる場合は、この2つから検討されることをおすすめします。
全部を一度に変えなくて大丈夫。
できることから、はじめられます
給湯器が古くなったとき、屋根を直すとき。住まいの手入れのタイミングに合わせて、ひとつずつ省エネに替えていけば十分です。小さな一歩でも、毎年のCO2と電気代は確実に減っていきます。どれから始めるとよいか、いまの住まいに合わせて一緒に考えます。
※設備ごとの数値は、それぞれ単独で交換した場合の試算です。上の「住宅全体」の84%削減とは計算の前提が異なるため、単純に足し合わせることはできません。
Our Role
一軒の省エネが、地域につながります
当事務所は、住まい手と関係者をつなぐ役割を担っています
沖縄
お客様(住まい手)
光熱費が下がり、暮らしが快適になる
一級建築士事務所創環境Design
性能の計算と証明書の発行で、制度を使える形にする
工務店・住宅会社
性能を満たす工事を担う
不動産会社
性能の高い物件を提案できる
金融機関
金利の優遇でお客様を後押しする
一軒ずつの積み重ねが、沖縄全体のCO2削減になります
省エネ住宅は、住まい手だけの取り組みでは実現できません。工事をする会社、物件を扱う会社、資金を用意する金融機関——
それぞれが少しずつ関わることで、はじめて形になります。
当事務所は工事を受注していないため、どの立場にも偏らず、性能と制度の面から全体をつなぐことができます。
電気代が高く、CO2の削減効果も大きい沖縄だからこそ、この積み重ねには意味があると考えています。
ESG
ESGの視点で見る、
住宅の省エネ
ESGは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字です。
企業や金融機関が、事業や投資・融資を評価するときの視点として広く使われています。
住宅の省エネは、この3つすべてに関わります。
E
環境Environment
住宅のCO2を減らすことができます。★★★★★★のZEH住宅なら、35年間で113.3トンの削減が可能。電気のCO2排出量が多い沖縄では、より大きな効果が出ます。
今ある建物を、長く活かす。中古住宅の検査や、性能を上げるリノベを通して、既存の建物の長寿命化と活用を進めています。建て替えずに使い続けることは、解体や新築で出るCO2を抑えることにもつながります。
S
社会Social
暮らしと家計を守る。光熱費が下がり、住宅ローン控除や金利の優遇で、子育て世帯の負担が軽くなります。暑い沖縄でも、室内を快適に保てます。
正しい知識を届ける。新聞連載、銀行・電力会社のセミナー、大学の講座で、制度と住宅性能の知識を分かりやすく伝えています。知らずに損をする人を減らすことも、私たちの社会への責任です。
G
ガバナンスGovernance
性能を正しく示す。省エネ計算・証明書・省エネ性能ラベルで、根拠のある数字として開示できます。当事務所は工事を受注しない、中立な立場で確認します。
G ― GOVERNANCE
公正で、透明な仕事の進め方
ガバナンスは、組織が公正に運営されているかを示す視点です。小さな事務所だからこそ、ルールを決めて公開し、守っています。
中立な立場を守る
工事を受注していないため、工事の金額で判断がゆがむことがありません。使える制度と性能を、第三者の目で確認します。
法令と登録にもとづく業務
一級建築士事務所(沖縄県知事登録 第176-4011号)として、建築士法や建築物省エネ法に沿って業務を行います。住宅金融支援機構の適合証明技術者、フラット35リノベの検査員としても登録しています。
根拠のある数字だけを示す
省エネ計算は国の基準と計算方法に沿って行います。サイトの試算も、電気・ガスの単価などの条件を明記して公開しています。
料金を公開する
料金は税込で公開し、お見積りを出してから業務をお引き受けします。料金を改定したときは、その理由もお知らせしています。
個人と物件の情報を守る
プライバシーポリシーを公開しています。発行事例は、物件が特定されない形で掲載しています。
職業倫理を明文化する
建築士事務所憲章で、法令遵守と公益の立場、公正で誠実な職務を誓っています。自己研鑽も欠かしません。
金融機関・不動産会社にとってのESG
- 金融機関では、環境に配慮した住宅への融資を後押しする動きが広がっています。沖縄でも、ZEH水準の住宅を対象に金利を優遇する住宅ローンがあります。
- 不動産では、2024年から省エネ性能ラベルによる表示制度が始まり、物件の省エネ性能を示すことが求められるようになりました。
- どちらも、性能を裏づける資料が欠かせません。住宅省エネルギー性能証明書と省エネ性能ラベルは、その根拠になります。
ESGとSDGsは、何が違いますか?
SDGsは、2030年までに世界が達成をめざす17の目標です。ESGは、企業や金融機関が取り組みを評価するときの視点です。ESGの視点で事業を進めることが、SDGsの目標の達成につながる、という関係にあります。
個人の住宅にも、ESGは関係ありますか?
あります。住宅ローンを貸す金融機関や、物件を扱う不動産会社が、省エネ性能を重視するようになっています。省エネ性能の高い住宅は、金利の優遇や減税を受けやすく、将来の評価にもつながります。
Goal 13
2030年は、SDGsの達成期限
2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年を達成の期限としています。 17ある目標の13番目が「気候変動に具体的な対策を」—— 正式には「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」です。
住宅から出るCO2を減らすことは、この目標に正面から関わります。 国の政策も、建築物省エネ法の改正という形で、すでに同じ方向に動き始めました。
このページでご紹介した数字は、どれも特別なことをした結果ではありません。 住宅の省エネ性能を上げて、給湯と冷房の効率を上げて、太陽光で発電した電気を使う。 一軒ずつ性能を上げていくことが、そのまま気候変動への対策になります。