2026/10/04 一級建築士 村山 創
結論
評価機関には交付から20年間、記録が残っています。写しを取り寄せられる可能性があります。
見つかれば、住宅ローン控除に必要な「住宅省エネルギー性能証明書」を、省エネ計算なしの44,000円で発行できる場合があります(等級の条件あり)。まずは売主・管理組合に確認し、見つからなければ評価機関に相談してください。
建設住宅性能評価書とは
新築の工事中に、国に登録された評価機関(登録住宅性能評価機関)が現場を検査して交付する書類です。耐震性や省エネ性などが「等級」で書かれています。分譲マンションでは、評価書付きで販売されていることが多い書類です。
再発行はできる?評価機関に20年間記録が残っています
評価機関は、建設住宅性能評価に使った書類を、評価書を交付した日から20年間保存しなければならないと定められています(住宅品確法施行規則 第21条)。
つまり、評価から20年以内の住宅であれば、発行した評価機関に記録が残っている可能性が高いということです。
探す手順(3ステップ)
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1
売主・管理組合(管理会社)に確認する
マンションでは、評価書を管理組合がまとめて保管していることがあります。売主が「持っていない」と言っても、管理会社を通して管理組合に問い合わせると見つかることがあります。
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2
見つからなければ、評価機関に写しの交付を相談する
評価を行った機関に直接問い合わせます。機関名は、管理組合や新築時の販売会社に聞くと分かることがあります。沖縄県内では公益財団法人沖縄県建設技術センターや沖縄建築確認検査センターが登録されていますが、県外の機関が評価している物件もあります。必要書類・手数料・日数は機関によって異なります。所有者であることの確認(登記事項証明書など)を求められる場合があるので、事前に確認してください。
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3
評価書をもとに、住宅省エネルギー性能証明書を発行する
評価書の等級を根拠に、当事務所が証明書を発行します。評価書の写しをお送りいただければ、対象になるかを無料で確認します。
新築時の評価書を、そのまま確定申告に使うことはできません
中古住宅の住宅ローン控除に使える証明は、取得日の前2年以内、または取得日から6ヶ月以内に調査を終えたものに限られます。新築時の評価書は、証明書を発行するための根拠資料として使います。
評価書を「もらっていない」ときは
「評価書をもらった覚えがない」という方も少なくありません。理由は、主に次の3つです。どれに当たるかで、探し方が変わります。
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1
そもそも評価を受けていない
建設住宅性能評価は、受けるかどうかを選べる制度です。受けていない住宅も多く、とくに一戸建てに多くあります。新築で買った場合は、重要事項説明書に、住宅性能評価を受けた住宅かどうかが書かれています。
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2
「設計」の評価書だけで、「建設」の評価書がない
性能評価には、図面で評価する設計住宅性能評価と、工事中の検査を経て交付される建設住宅性能評価があります。省エネ計算なし(44,000円)で証明書を発行できるのは、建設住宅性能評価書がある場合です。設計の評価書だけのときは、図面から省エネ計算をします。
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3
評価は受けたが、手元に届いていない・引き継いでいない
マンションは管理組合や分譲会社、一戸建ては建てた会社や売主が持っていることがあります。中古で買った場合は、前の持ち主から書類を引き継いでいないこともあります。見つからなければ、上の手順②のとおり評価機関に相談します。
「住宅省エネルギー性能証明書」をもらっていないときは
住宅ローン控除の手続きで使う証明書です。新築なら、建てた会社や売主が用意することが多いので、まずそちらに確認してください。中古住宅なら、取得日から6か月以内に調査を終えれば、住み始めたあとでも当事務所で発行できます(評価書か図面が必要です)。
評価書の「等級」を確認してください
省エネ計算なしで発行できるのは、評価書に断熱等性能等級4以上と一次エネルギー消費量等級4以上の両方が記載されている場合です。
| お手元の書類 | 料金(税込) | 省エネ計算 |
|---|---|---|
| 評価書あり(断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上) | 44,000円 | 不要 |
| 評価書の等級が足りない・図面だけがある | 121,000円 | 図面から計算します |
| 上の2つ+フラット35適合証明と同時にご依頼 | 82,500円 | 図面から計算します |
一次エネルギー消費量等級は、2015年4月以降の評価から記載されている項目です。それより前の評価書は、図面とあわせて省エネ計算を行います。
一戸建ては、設計図書を探してください
一戸建ては、建設住宅性能評価を受けていない住宅も多くあります。その場合は、設計図書(図面)を探してください。
一戸建ての図面は、設計した建築士事務所に保存されていることがあります。建築士法で、設計図書(配置図・平面図・立面図・断面図など)は15年間の保存が義務づけられています(2020年3月以降に設計された建物はすべて対象)。それより前の住宅も、設計事務所や施工した会社に残っていることがあります。
図面があると、できること
- 省エネ計算をして、住宅省エネルギー性能証明書を発行できる(121,000円)
- フラット35の適合証明の検査がスムーズになる
- リフォームの計画が立てやすく、建物の性能や価値を説明しやすくなる
売主から設計事務所や施工会社を聞いて、一度問い合わせてみてください。
不動産会社の方へ
売出しの段階で評価書を探しておくと、買主さまへの提案材料になります。証明書は売主側で取得しておくこともできます。不動産会社の方へのご案内もご覧ください。
この記事に関連する質問
評価書をもらっていません。どうすればいいですか?
まず、評価を受けた住宅かどうかを確認します。新築で買った場合は重要事項説明書に書かれています。評価を受けていれば、マンションは管理組合や分譲会社、一戸建ては建てた会社や売主に確認し、見つからなければ評価機関に写しの交付を相談します。評価を受けていない住宅や、設計の評価書しかない住宅でも、図面があれば省エネ計算をして住宅省エネルギー性能証明書を発行できます(121,000円)。
評価から20年を過ぎていたら、あきらめるしかありませんか?
保存期間を過ぎていても、管理組合や売主の手元に残っていることがあります。評価書がなくても、図面が残っていれば省エネ計算をして証明書を発行できます(121,000円)。
評価書が見つかったら、何を送ればよいですか?
評価書の写し(全ページ)をお送りください。等級を確認し、44,000円で発行できるかどうかを無料でお知らせします。
一戸建てでも同じですか?
同じです。建設住宅性能評価を受けた一戸建てであれば、評価機関に記録が残っています。ただし、評価を受けていない住宅も多いため、まずは売主に確認してください。評価書がない場合は、設計した建築士事務所や施工会社に図面が残っていないか確認してください。
※評価書の写しの交付の可否・手続きは、評価機関によって異なります。制度の内容や適用条件は、入居時期・所得・住宅の状況などにより異なります。