2026/10/08 一級建築士 村山 創
結論
★が多いほど省エネ、家の形の目盛りが大きいほど省エネ性能が高い住宅です。
★1つが国の省エネ基準で、★が1つ増えるごとにエネルギーを10%多く減らしています。★3つ(太陽光を除く)と断熱性能5がそろえば、ZEH水準です。家電の省エネラベルと同じように、住まいの「燃費」を比べられます。
車の燃費、家電の省エネラベルと同じ考え方です
車を選ぶときは燃費を、エアコンや冷蔵庫を選ぶときは店頭の省エネラベルを見比べます。省エネ性能ラベルは、それを住まいでもできるようにしたものです。
見方は同じです。★が多いほど、使うエネルギーが少ない。目安光熱費は、車のカタログ燃費と同じように、決まった条件で計算した数字なので、実際の光熱費は暮らし方で変わります。
違いは、使う年数です。家電は10年ほどで買い替えられますが、住まいの燃費は、あとから変えるには工事が必要で、何十年も続きます。だからこそ、選ぶ前にラベルで比べておく価値があります。
実際のラベルで見てみましょう
- 1エネルギー消費性能:★6つ。そのうち2つは、太陽光発電の自家消費分です。
- 2断熱性能:目盛り6まで色がついています。
- 3目安光熱費:約19.7万円/年。
- 4ZEH水準:チェックが入っています。
- 5再エネ設備あり:右上に表示されています。
① エネルギー消費性能(★の数)
冷暖房・給湯・照明などで使うエネルギーが、国の基準よりどれだけ少ないかを★で示します。★1つが省エネ基準で、10%減らすごとに★が1つ増えます。
| ★の数 | 基準からの削減 | めやす |
|---|---|---|
| ★ | 0%以上 | 省エネ基準 |
| ★★ | 10%以上 | |
| ★★★ | 20%以上 | ZEH水準のライン(太陽光を除いて) |
| ★★★★ | 30%以上 | 太陽光がない住宅の最高 |
| ★★★★★ | 40%以上 | 太陽光の自家消費を含めて |
| ★★★★★★ | 50%以上 | 太陽光の自家消費を含めて。ZEHの目安 |
太陽光などの再エネ設備がある住宅では、自家消費で減った分を、光っている★(キラ★)で区別して表示します。
② 断熱性能(家の形の目盛り)
住宅の断熱性能等級を、家の形の目盛り(1〜7)で示します。4が省エネ基準、5以上がZEH水準のラインです。
沖縄(8地域)の場合
沖縄では、断熱性能の4と5の基準が同じです(日射を防ぐ性能 ηAC 6.7以下)。また7の基準はないため、ラベルの7は色がつきません。沖縄の住宅は、断熱より、日射を防ぐ工夫と設備の省エネで★の数が決まります。
③ 目安光熱費
住宅の省エネ性能と、全国一律の燃料の単価を使って計算した、1年あたりの光熱費の目安です。実際の光熱費は、住む人数や使い方、電気・ガスの契約によって変わります。住宅どうしを比べるための数字と考えてください。表示するかどうかは任意です。
④ ZEH水準のチェック
エネルギー消費性能で★3つ以上(太陽光を除く)、かつ断熱性能で5以上を満たすと、チェックが入ります。住宅ローン控除や銀行の金利優遇で求められることが多い水準です。
リノベーションで、ラベルの表示を上げられます
★の数は、建物だけでなく、給湯器や冷暖房などの設備でも決まります。中古住宅でも、リノベーションで設備を替えれば、★を増やせます。沖縄は断熱性能の4と5の基準が同じなので、とくに設備の見直しが効きます。
エコキュートに交換する
給湯は、家庭で使うエネルギーの中でも大きな割合を占めます。電気温水器や古い給湯器を、効率の高いエコキュートに替えると、給湯のエネルギーが大きく減り、★が増えやすくなります。
太陽光発電をつける
自家消費で減った分が、光る★(キラ★)として加わります。太陽光がない住宅は★4つまでですが、太陽光をつければ★5つ・6つも目指せます。「再エネ設備あり」も表示されます。
エアコン・照明を替える
効率の高いエアコンやLED照明に替えるのも、★を増やす工夫です。窓に日射を防ぐガラスやひさしを付けると、断熱性能の目盛りにも効きます。
どれだけ★が増えるかは、建物と設備の組み合わせで変わります。工事の前にご相談いただければ、どの工事で★がいくつ増えるかを、計算で比べられます。工事のあとは、工事後の仕様で省エネ計算をして、ラベルを発行し直せます。
いつから、どの住宅に表示するのか
- 2024年4月から、新築住宅の販売・賃貸の広告には、ラベルの表示が求められています。
- 中古住宅は「推奨」です。表示している物件はまだ少なく、表示すれば他の物件との差になります。
- 2024年11月からは、中古住宅向けに、窓や給湯器など改修した部分を示す「省エネ部位ラベル」もあります。
ラベルは、事業者が自ら評価する方法と、第三者機関が評価する方法(BELS)のどちらかで発行します。
当事務所でのラベルの発行
住宅省エネルギー性能証明書の省エネ計算とあわせて、ラベルも発行します(料金に含まれています)。1回の計算で、住宅ローン控除のための証明書と、広告や説明に使えるラベルの両方がそろいます。発行には図面が必要です。
料金:121,000円(建設住宅性能評価書があれば44,000円、フラット35の適合証明と同時なら82,500円)。いずれも税込で、省エネ計算書・証明書作成・ラベル発行を含みます。
この記事に関連する質問
中古住宅でも、ラベルを出せますか?
出せます。中古住宅の表示は義務ではなく推奨ですが、図面があれば省エネ計算を行い、ラベルを発行できます。売出しの前に取得しておけば、広告や物件の説明に使えます。
★はいくつあれば良い住宅ですか?
★1つで国の省エネ基準を満たします。★3つ以上(太陽光を除く)と断熱性能5がそろえばZEH水準で、住宅ローン控除が手厚くなるなど、使える制度が増えます。太陽光がある住宅では、★6つがZEHの目安です。
ラベルと住宅省エネルギー性能証明書は、何が違いますか?
ラベルは、広告や物件の説明で性能を伝えるためのものです。住宅省エネルギー性能証明書は、住宅ローン控除などの手続きに使う書類です。どちらも同じ省エネ計算から作れるため、当事務所では一緒に発行しています。
※制度の詳細は、国土交通省「建築物の省エネ性能表示制度」をご確認ください。表示の内容は、住宅の条件や評価の方法によって異なります。