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Q&A

太陽光発電は、
買う・PPA・リースの
どれがお得ですか?

長い目で見ると、いちばん手元に残るのは
「自分で買う」です

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2026/10/15 一級建築士 村山 創

沖縄の白い家の屋根に載った太陽光パネルを、お父さんが指さし、家族が笑顔で見上げている様子

結論

長い目で見ると、
「自分で買う(所有)」が
いちばん手元に残ります。

PPAやリースは、初期費用が0円の代わりに、事業者の利益や金利、保守の費用が料金に含まれています。同じ屋根に同じパネルを載せるなら、設備を自分のものにしたほうが、節約した電気代も売電収入もすべて家計に残ります。沖縄で4kWを載せた試算例では、20年間で手元に残る金額は所有が約193万円と、いちばん大きくなりました。

太陽光の載せ方は、3つあります

違いは、設備がだれのものかと、何にお金を払うかです。

所有自分で買う

設備を買って、自分のものにする

初期費用
設置費用がかかる(4kWで約116万円)
毎月の支払い
なし
つくった電気
家で使って、余りは自分が売る
メンテナンス
自分で手配する

リース設備を借りる

リース会社の設備を、毎月の料金で借りる

初期費用
0円
毎月の支払い
定額のリース料(発電が少なくても払う)
つくった電気
家で使って、余りは自分が売る
メンテナンス
リース会社が行う(契約による)

PPA電気を買う

事業者が屋根に設備を載せ、つくった電気を家庭が買う

初期費用
0円
毎月の支払い
使った電気の分(単価は契約で決まる)
つくった電気
家で使った分を買う。余りは事業者が売る
メンテナンス
事業者が行う

沖縄のPPAの例:おきでん「かりーるーふ」

沖縄電力グループ(沖縄新エネ開発)のサービスです。初期費用0円で、太陽光(7.5kW)と蓄電池(6.3kWh)を設置し、家で使った電気の分だけ料金を払います。停電のときにも電気が使えます。契約は15年で、余った電気の売電収入は事業者のもの、契約が終わると設備は撤去されます(譲り受けはできません)。RC造の陸屋根で築35年未満、申し込む人が65歳未満などの条件があります。デメリットと注意点 ›

出典:沖縄新エネ開発「かりーるーふ」公式サイト・よくある質問(2026年10月確認)

20年間で、手元にいくら残る?

沖縄で4kWの太陽光を載せた場合の試算例です。設置費用や電気代の条件は、フラット35リノベのページの太陽光の試算と同じです。

20年間で手元に残る金額(試算例・4kW・沖縄)

沖縄電力の電気 56円/kWh PPAの単価 50円/kWh・15年契約(仮定) リース料 月1.4万円(仮定)
所有 +193万円

設置費用116万円を払っても、いちばん多く残る

リース +141万円

リース料を月1.4万円・10年(計168万円)と仮定。金利が上がると、これから結ぶリースの料金は上がりやすい

PPA +98.5万円

PPAの単価を50円/kWh・15年契約と仮定。契約中の節約は、沖縄電力の56円との差の6円分だけ

試算の内訳を見る(万円)
所有 リース PPA
最初に払うお金 −116 0 0
リース料 — −168 —
自家消費の節約 268 268 88.5
売電収入 56 56 10
パワコン交換(11年目) −15 −15 0
手元に残る +193 +141 +98.5

電気代は1kWhあたり56円(2026年11月の沖縄電力の料金改定後)、自家消費は年13.4万円分(約2,390kWh)、売電は1〜4年目が年6万円・5年目以降が年2万円。リースは月1.4万円・10年契約(計168万円)で、自家消費と売電は家庭のもの、11年目に譲り受けると仮定。PPAは電気の単価50円/kWh・15年契約で、契約中の売電は事業者のもの、16年目に譲り受けると仮定(1〜15年目の節約は(56−50)円×約2,390kWh×15年≒21.5万円。11年目のパワコン交換は契約中なので事業者の負担)。満了後に設備が撤去される契約なら、20年間で手元に残るのは約21.5万円です。リース料やPPAの単価、契約の年数、満了後に譲り受けるか撤去するかは、事業者や契約によって大きく変わります。

リースやPPAでも、契約が終わって設備を譲り受ければ、その後の節約は自分のものになります。それでも、契約中に払う料金の分だけ、所有より少なくなるのが基本の形です。なお、所有でも住宅ローンで借りれば金利はかかりますが、リース料やPPAの料金に含まれる金利より低いのがふつうです。

所有のリターンが大きい4つの理由

節約した電気代が、すべて自分のものつくった電気を家で使えば、その分の電気を買わずに済みます。沖縄の電気は1kWhあたり約56円。PPAでは、この節約のうち事業者の電気の単価を引いた分しか残りません。
電気代が上がるほど、得が増える自家消費の節約は、電気代が上がるほど大きくなります。20年間の効果の約8割は、売った電気ではなく、買わずに済んだ電気代です。
事業者の利益や手数料を払わないPPAやリースの料金には、設備代のほかに、事業者の利益・資金の金利・保守の費用が含まれています。初期費用0円は、その分を長い期間に分けて払う仕組みです。
契約に縛られない家を売る、建て替える、屋上の防水をやり直す。そんなときも、契約の解約金や引き継ぎを気にせず、自分で決められます。

116万円が、20年で約193万円を生む

設置費用は、約6年半で回収できます。年利13.0%で運用したのと同じ効果です。住宅ローンの金利(フラット35の基準金利 年3.83%)を、大きく上回ります。電気代の高い沖縄は、日射量も多く(A4・A5地域)、太陽光を自分で持つ効果が出やすい地域です。

3つをくらべると

所有 リース PPA

初期費用

かかる 0円 0円

設備の持ち主

自分 リース会社 事業者

毎月の支払い

なし 定額 使った電気の分

余った電気の売電

自分 自分 事業者

故障・メンテナンス

自分 リース会社(契約による) 事業者

契約の期間

なし 長期の契約 長期の契約

途中でやめる

自由 解約金 解約金

20年で手元に残る(試算例)

約193万円 約141万円 約99万円

契約の期間や、満了後に設備を譲り受けるか撤去するかは、事業者によって違います。出典:国土交通省「太陽光パネルの導入|家選びの基準変わります」をもとに当事務所が作成。

メリットとデメリット

どの載せ方にも、良いところと気をつけたいところがあります。

所有

メリット

  • 長い目で見ると、投資の回収効率がいちばん良い(サービス料がかからない)
  • 交換や処分を、自分で決められる
  • 家で使わなかった電気を売れる(売電収入)

デメリット

  • 初期費用が大きい
  • メンテナンスの手間と費用を、自分で負う

リース

メリット

  • 初期費用が0円
  • メンテナンスの費用がかからない
  • 家で使わなかった電気を売れる(売電収入)

デメリット

  • 自由に交換・処分できない
  • 長期の契約(途中でやめると解約金がかかることも)
  • 発電しなくても、リース料を払う

PPA

メリット

  • 初期費用が0円
  • メンテナンスの費用がかからない
  • 使った分だけ電気を買う

デメリット

  • 自由に交換・処分できない
  • 長期の契約(途中でやめると解約金がかかることも)
  • 余った電気の売電収入は、事業者のもの

一般的な契約の例です。出典:国土交通省「太陽光パネルの導入|家選びの基準変わります」(資源エネルギー庁「太陽光発電について」、環境省「初期投資0での自家消費型太陽光発電設備の導入について〜オンサイトPPAとリース〜」を一部加工)をもとに当事務所が作成。

契約の内容を、必ず確かめましょう

PPAやリースは、契約の期間も、電気の単価やリース料も、事業者によって違います。同じ「初期費用0円」でも、手元に残る金額は契約しだいで大きく変わります。申し込む前に、次のことを確かめましょう。

  • 契約の期間:何年の契約か。満了後は更新か、終了か
  • 電気の単価・リース料:いくらか。契約中に変わることはあるか
  • 満了後の設備:無償で譲り受けるのか、撤去されるのか
  • 途中でやめるとき:解約金はいくらか(年数によって変わることが多い)
  • 売電収入:余った電気の売電収入は、だれのものか
  • 故障・台風のとき:修理や撤去の費用、近隣への被害の補償はだれが負うか
  • 家を売る・相続するとき:契約を引き継げるか。屋上防水でパネルを外す費用は

PPA・リースが向いている家庭もあります

手元に残る金額では所有がいちばんですが、初期費用0円で始められ、故障の心配を任せられるのはPPA・リースの良さです。暮らし方に合わせて選びましょう。

所有が合いやすい家庭

  • 同じ家に、10年以上住むつもり
  • 共働き・子育て中・オール電化などで、電気をよく使う
  • 新築やリノベのタイミングで、住宅ローンにまとめられる
  • 家を売る・建て替えるときも、自由に決めたい

PPA・リースが合いやすい家庭

  • 手元のお金は、ほかのことに使いたい
  • 故障や点検の手配を、任せてしまいたい
  • 蓄電池も含めて、初期費用0円で備えたい
  • 契約の条件(年数・年齢・建物)に当てはまる

初期費用は、住宅ローンにまとめられます

家を建てる・買うときが、いちばん載せやすい

「所有したいけれど、まとまったお金が…」という方も、家を建てる・買うタイミングなら、設置費用を住宅ローンにまとめられます。住宅ローンの金利で借りて、毎月の電気代の節約で返していく形です。

  • 新築:建築費と一緒に借りられます
  • 中古+リノベ:フラット35リノベなら工事費に含められ、当初5年間の金利も下がります(フラット35のリフォーム活用は対象外です)

太陽光の効果は、住宅ローンの金利より大きい

住宅ローンを借りて載せても、金利より太陽光の効果のほうが大きいので、手元にお金が残ります。リース料には、住宅ローンの約2倍の金利にあたる費用が含まれています。

太陽光の効果(実質年利) 13.0%
リース料金利に換算 約7.9%
住宅ローンの金利フラット35 基準金利 3.83%

フラット35の基準金利は2026年10月時点。リースの換算金利は、月1.4万円×120回で116万円を返す場合の金利で、保険・税・保守などの費用も含みます。

太陽光4kWに蓄電池をつけると、20年でいくら?

上の「所有」の試算に蓄電池(7kWh・約92万円)をつけると、20年で手元に残る金額は約193万円から約202万円になります。蓄電池の15年間の効果(約101万円)で、もとは取れます。

万円太陽光だけ+蓄電池(92万円)
最初に払うお金 −116 −208
太陽光の効果(20年) 309 309
蓄電池の効果(15年) — 101
手元に残る金額 +193 +202

試算の条件や、蓄電池のメリット・選び方・いま付けるかあとで付けるかは、蓄電池は、つけたほうがいいですか?にまとめています。

沖縄の0円太陽光「かりーるーふ」のデメリットと注意点

初期費用0円で太陽光と蓄電池が使え、停電に備えられるのが「かりーるーふ」の良いところです。基本料金・再エネ賦課金・燃料費調整額はかからず、設備の固定資産税やメンテナンス・撤去の費用も事業者の負担です。パネルが屋上の日よけになり、夏のエアコンの効きが良くなることも期待できます。そのうえで、契約の前に知っておきたい点があります。

  1. 1

    15年の長い契約

    契約期間は15年です。申し込む人が65歳未満という条件があるのも、このためです。途中で家を売る・建て替えるときの扱いは公式サイトに書かれていないので、契約の前に確認しましょう。

  2. 2

    余った電気は売れない

    余った電気の売電収入は事業者のものです。昼に家にいないことが多い家庭は、蓄電池に入りきらない電気が増え、恩恵が小さくなりやすくなります。

  3. 3

    割高になることもある

    料金の単価は15年間一定です。燃料費調整額が大きく下がると、沖縄電力の電気料金のほうが安くなる場合があると、事業者自身が説明しています。

  4. 4

    防水工事のときの脱着費用

    屋上の防水工事でパネルを外す必要があるときは、脱着の費用(目安15〜20万円)を利用者が負担します。設置工事で、防水の保証が切れることもあります。

  5. 5

    台風の飛散は補償が約束されていない

    事業者の保険は、台風でパネルが飛んだ事故には適用されない可能性が高いとされています。

  6. 6

    契約が終わると撤去

    設備を譲り受けることはできず、契約が終わると撤去されます(同じ条件での24か月の自動更新が1回あり、その後は新しく15年契約を結べる場合もあります)。

使える家の主な条件

沖縄本島の持ち家の一戸建てで、RC造の平らな屋根(傾斜20度以内を含む)・2階建て以下・築35年未満。太陽光をまだ載せていないこと、屋上に遮熱ブロックがないこと、申し込む人(または同居する2親等以内の家族)が65歳未満であることも条件です。支払いはクレジットカードのみで、申し込みから使い始めるまで8〜12か月ほどかかります。

建築士から

向いているのは、初期費用をかけずに停電への備えがほしく、15年以上住み続ける予定の家庭です。屋上の防水が古いなら、契約の前に防水をやり直しておくと、あとで脱着の費用がかかりません。設備を自分のものにしたい・余った電気も売りたいなら、上の試算のように「買う」とくらべてみてください。

出典:沖縄新エネ開発「かりーるーふ」よくあるご質問・申込条件、沖縄電力「かりーるーふ」(2026年10月確認)。条件や内容は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

沖縄で気をつけること

どの載せ方でも、沖縄ならではの注意点があります。

台風架台と固定のしかたが、強い風に耐えられるか。屋上に載せるなら、パネルが風で飛ばないかを設計の段階で確かめます。
塩害海の近くでは、塩害に対応したパネル・架台・金具を選びます。さびは、故障や飛散の原因になります。
屋上の防水防水をやり直すときは、パネルをいったん外す必要があります。取り外しと再設置の費用も、見込んでおきましょう。
保険所有なら、台風で壊れたときに火災保険(風災)で直せるか、契約の内容を確かめておきます。

中古住宅を買うなら、契約も確かめる

PPAやリースのパネルが載った家を買うときは、契約を引き継げるか、残りの期間、解約金、満了後に設備を譲り受けるのか撤去するのかを確かめましょう。屋上の防水やパネルまわりの状態も、買う前に見ておくと安心です。

この記事に関連する質問

太陽光発電は、買う・PPA・リースのどれがお得ですか?

長い目で見ると、自分で買う(所有)がいちばん多く手元に残ります。沖縄で4kWを載せた試算例では、20年間で手元に残る金額は、所有が約193万円、リースが約141万円、PPA(15年契約)が約99万円でした。PPAやリースは初期費用が0円の代わりに、事業者の利益や金利、保守の費用が料金に含まれています。

初期費用0円のPPAは、損なのですか?

損ではありません。初期費用なしで太陽光を使え、故障やメンテナンスも事業者が対応します。ただ、売電収入は事業者のものになり、電気の節約も単価の差の分だけになるため、所有と比べると手元に残る金額は小さくなります。

太陽光の設置費用を、住宅ローンにまとめられますか?

新築なら、建築費と一緒に住宅ローンで借りられます。中古住宅を買ってリノベーションする場合は、フラット35リノベなら工事費に含められます(フラット35のリフォーム活用は対象外です)。

PPAやリースのパネルが載った中古住宅を買うときは、何に気をつければいいですか?

契約を引き継げるか、残りの契約期間、途中でやめるときの解約金、契約が終わった後に設備を譲り受けるのか撤去するのかを確かめましょう。屋上の防水をやり直す予定があるなら、パネルの取り外しの費用も確認しておくと安心です。

沖縄の「かりーるーふ」のデメリットは何ですか?

契約が15年と長いこと、余った電気の売電収入は事業者のものになること、燃料費調整額が大きく下がると沖縄電力の電気料金より割高になる場合があること、屋上の防水工事でパネルの脱着が必要なときの費用(目安15〜20万円)が利用者の負担になることなどです。台風でパネルが飛んだときの補償も約束されていません。一方で、初期費用0円で太陽光と蓄電池が使え、停電に備えられるという良さがあります。

※この記事の試算は、条件を仮定した一例です。実際の効果は、屋根の向き・影・電気の使い方、PPA・リースの契約内容によって変わります。個別の投資や資産運用の助言ではありません。特定の事業者のサービスをすすめる・否定するものではありません。

出典:国土交通省「太陽光パネルの導入|家選びの基準変わります」、経済産業省 資源エネルギー庁「固定価格買取制度(FIT)の買取価格」(住宅用:1〜4年目24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWh)、沖縄電力「電気料金の改定について」(2026年11月)、沖縄新エネ開発「かりーるーふ」公式サイト・よくある質問

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