2026/10/09 一級建築士 村山 創
結論
中古住宅を買う子育て世帯には、
4つの特徴があります
- 1「子育てに適した環境」で選ぶ
- 2住宅購入資金が高くなる傾向がある
- 3住み替えで、広い家に移る
- 4リフォームを前提にする
よく合う制度
+子育て世帯の上乗せ 贈与:住宅資金の非課税枠
最大1,000万円
使ったデータ
国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」(2026年7月公表)。
中古住宅の集計は三大都市圏が対象で、沖縄県だけの数字ではありません。
調査でわかった4つの特徴
中古住宅を買った世帯のうち、子育て世帯は一戸建てで38.7%、マンションで34.8%。全体と比べて、どこが違うのかを見ていきます。
「子育てに適した環境」で
選ぶ人が、全体の2倍以上
住宅を選んだ理由のうち、全体との差がいちばん大きかったのが「子育てに適した環境だったから」です。中古一戸建てでは「住みたい地域に、適当な新築住宅がなかったから」も全体より多く(15.3%、全体は9.9%)、まず地域を決めて、その地域にある中古を選ぶ流れが見えます。
「子育てに適した環境だったから」と答えた割合
中古一戸建て
中古マンション
住宅の選択理由(複数回答)。出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」をもとに当事務所が作成。
この特徴に合う制度
地域で選ぶなら、性能はリノベで上げる
住みたい地域で探すと、築年数や断熱性能までは選べないことがよくあります。性能は買ったあとのリフォームで上げられます。フラット35リノベなら、性能を上げる工事をすると、当初5年間の金利が下がります。
フラット35リノベを見る ›「予算」で中古を選ぶ。
でも、購入資金は高くなる傾向
中古にした理由の1位は、子育て世帯も「予算的にみて、中古住宅が手頃だったから」(一戸建て72.4%、マンション77.1%)。それでも、購入資金は全体より約290万〜360万円高くなっています。広さや環境を優先する分、借りる額も大きくなりやすいということです。
住宅の購入資金(平均)
中古一戸建て
中古マンション
出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」をもとに当事務所が作成。
この特徴に合う制度
借りる額が大きいほど、金利の差が効く
フラット35の子育てプラスは、子ども1人につき当初5年間 年▲0.25%。リノベ・中古プラスと組み合わせると、当初5年間で最大 年▲1.0%まで下がります。借入4,000万円・子ども2人なら、総返済額で約290万円の削減になります。子ども1人が国立大学に4年間通う授業料と入学金(約243万円)を上回る金額です(内訳)。
親や祖父母から住宅資金の援助を受けるなら、贈与税の非課税枠も使えます。省エネ性能が高い住宅なら最大1,000万円(それ以外の住宅は500万円)まで、贈与税がかかりません。
住み替えで、
一戸建ては約33㎡広い家へ
子育て世帯は、住み替えで家が大きく広がっています。中古一戸建てでは平均33.3㎡、6畳間なら3部屋分以上、広くなりました。マンションでも平均14.6㎡広くなっています。
子育て世帯の延べ床面積(平均)
中古一戸建て+33.3㎡
中古マンション+14.6㎡
出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」をもとに当事務所が作成。
この特徴に合う制度
広い家ほど、光熱費と控除の差が大きくなる
家が広くなると、冷房や給湯にかかる電気代も増えがちです。断熱や省エネ設備で性能を上げ、住宅省エネルギー性能証明書を取ると、中古住宅でも住宅ローン控除が13年に。子育て世帯は借入限度額が3,000万円(ZEH水準なら4,500万円)に上がります。
省エネ証明書を見る ›リフォームする前提で、中古を選ぶ
中古マンションを買った子育て世帯は、「リフォームによって快適に住めると思ったから」が44.0%(全体33.2%)。全体との差がいちばん大きい理由でした。リフォームをした世帯の調査でも、子育て世帯は「子供の成長に備えるため」(10.6%、全体4.5%)や「省エネ性能の向上のため」(22.0%、全体17.8%)が多くなっています。
中古マンションを選んだ理由「リフォームによって快適に住めると思ったから」
中古マンション
中古住宅にした理由(複数回答)。出典:国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査」をもとに当事務所が作成。
この特徴に合う制度
リフォーム費用も、住宅ローンにまとめる
中古住宅の購入とリフォームを一緒に考えるなら、工事費も同じ住宅ローンで借りられます。性能を上げる工事ならフラット35リノベ、内装や設備の入替えならリフォーム活用が使えます。
リフォーム活用を見る ›特徴と制度の対応
1地域で選ぶ
使える制度
フラット35リノベ
性能を上げる工事で、当初5年間の金利が下がる
必要な証明書:リノベの適合証明書
2借りる額が大きい
使える制度
子育てプラス+リノベ+中古プラス
当初5年間 最大 年▲1.0%
必要な証明書:リノベの適合証明書
3広い家に住む
使える制度
住宅ローン控除13年・子育て世帯の上乗せ
借入限度額 3,000万円(ZEH水準 4,500万円)
必要な証明書:住宅省エネルギー性能証明書
4リフォーム前提
使える制度
フラット35リノベ/リフォーム活用
工事費も住宅ローンにまとめる
必要な証明書:適合証明書
親・祖父母から資金の援助を受ける
使える制度
住宅取得等資金の贈与税の非課税
省エネ性能が高い住宅なら 最大1,000万円(それ以外の住宅は500万円)
必要な書類:省エネ性能を証明する書類(住宅省エネルギー性能証明書)
証明書は、当事務所でまとめて発行できます
適合証明書
金利を下げる
省エネ証明書
控除を増やす
2つの証明書は、同じ物件の検査・計算をもとに発行します。組み合わせると、金利と控除の両方が受けられます。
沖縄の子育て世帯へ
沖縄は出生率が全国でいちばん高い県です。子育てプラスは子どもの人数分だけ金利が下がるので、子どもが多い家庭ほど効果が大きくなります。また、沖縄の住宅ではエネルギーの約40%を給湯、約33%を冷房が占めます。広い家に住み替えるなら、上がり続ける電気代への備えとして、給湯器とエアコン、断熱を見直すのがおすすめです。
沖縄の新築は、持家の一戸建の工事費が10年で坪約65万円から約101万円に上がりました(2015→2025年)。同じ予算で広さや学区を選ぶなら、中古住宅を買って性能を上げる方法が現実的です。沖縄の新築の建築費 ›
この記事に関連する質問
「子育て世帯」は、何歳までの子どもがいる世帯ですか?
制度によって違います。フラット35の子育てプラスは、借入申込年度の4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯。住宅ローン控除の子育て世帯は19歳未満の子どもがいる世帯です。この記事で紹介した国の調査では、高校生以下の子どもがいる世帯を子育て世帯としています。
子どもが多いほど、金利は下がりますか?
はい。フラット35の子育てプラスは、子ども1人につき年0.25%、当初5年間の金利が下がります。リノベや中古プラスと組み合わせられますが、当初5年間の引下げの上限は年1.0%で、超えた分は6年目以降に繰り越されます。
いつ相談すればよいですか?
物件を買う前がおすすめです。フラット35リノベは工事の前後に検査が必要で、住宅ローン控除の上乗せには入居前の証明書が必要です。物件が決まっていない段階でも、使える制度の整理からお手伝いします。
※調査の数字は、国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」(2026年7月)によります。中古住宅・リフォームの世帯別の集計は三大都市圏が対象です。制度の条件・金利・限度額は変わることがあります。実際に使えるかは、物件や世帯の状況によって異なります。