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Q&A

フラット35の適合証明が
取れない中古住宅とは?

「直せる理由」と「直せない理由」を、
契約の前に見分けます

ホーム よくある疑問 Q&A フラット35の適合証明が取れない中古住宅とは?

2026/11/05 一級建築士 村山 創

結論

建物の傷みが原因なら、
補修すれば取れます。

適合証明書は、機構の技術基準のすべてに合うときに交付されます。ただし、ひび割れや鉄筋の露出のような傷みは、補修して基準に合うと確認できれば取れます。一方で、接道や床面積のように、直しようがない理由もあります。どちらなのかを、契約の前に確かめることが大切です。

沖縄の鉄筋コンクリート造の家の前で、建築士がベランダの裏のひび割れを指し、若い夫婦に説明している

取れない理由は、3つに分かれます

「適合証明が取れない」と言われたときは、まず理由がどれに当たるかを見ます。対応が大きく違うからです。

建物の傷み

補修すれば取れます。ひび割れ、鉄筋の露出、雨漏りの跡などです。

書類が足りない

探せば解決することがあります。建築確認の日付や構造が分からないときは、役所や管理会社で取れる書類で確かめられることがあります。

物件そのものの条件

直せないことが多い理由です。接道や床面積など。この場合は、別の住宅ローンや別の物件を考えます。

補修すれば取れるもの(建物の傷み)

現地で確認する主な項目です。見た目のきれいさではなく、構造と雨水に関わる傷みを見ます。

部位基準に合わない例
基礎・外壁幅0.5mm以上のひび割れ、深さ20mm以上の欠損
柱・梁・庇など鉄筋の露出、著しいひび割れ、さび汁
外壁の目地シーリング材の破断、欠損
ベランダ防水層の著しいひび割れ、水切り金物の不具合
天井裏・小屋組雨漏りの跡、著しい破損
床・壁(木造・鉄骨造)6/1,000以上の傾き
木部(木造)著しい腐朽、シロアリの被害
外壁・屋根(木造)外壁の苔やカビ、屋根の劣化

主な項目を抜き出したものです。検査は目視など、確認できる範囲で行います。

沖縄で気をつけたいのは、鉄筋の露出(爆裂)です。潮風や雨水で鉄筋がさび、コンクリートを押し割ります。ベランダの裏や庇の先に出やすいので、内見のときに見上げて確かめてください。見るところは中古住宅の内見チェックリストにまとめています。

補修するときに気をつけること

  • 売主の了解が必要です。引渡しの前は売主の建物です。だれが費用を持つかも、売買の条件として話し合います
  • 日程に余裕を持ちます。適合証明書がそろわないと、融資は実行されません。補修と確認の分だけ、決済までの時間を見込みます
  • 工事費の借り方を確かめます。フラット35(リフォーム活用)は、外装工事が対象外です

補修の費用を借りたいとき

フラット35リノベなら、
補修工事も工事費に含められます。

性能を上げる工事とあわせて、物件の購入と工事をまとめて借りられます。金利の引下げも受けられます(当初5年間 年▲0.75%、中古プラス併用)。

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マンションの共用部分は、売主だけでは直せません。外壁や廊下などの修繕は、管理組合が決めるものです。鉄筋の露出が見つかったときは、修繕の予定を管理会社に確認してください。

書類で解決できるもの

書類がないからといって、すぐにあきらめる必要はありません。何を確かめたいかによって、代わりの方法があります。

困っていること確かめる方法の例
建築確認の日付が分からない役所の台帳記載事項証明書。分からなければ登記の新築時期(1983年4月1日以後)
旧耐震で、図面がない建物の形や壁の割合が分かるパンフレット、耐震診断の結果、現地調査にもとづいて建築士が作った平面図・立面図など
耐火構造か分からない検査済証、設計図書、火災保険証券など
木造で、図面がない床下や小屋裏の点検口などから、現地で確認できる場合があります
マンションの管理規約がない管理組合か管理会社から取り寄せます

旧耐震の物件については、旧耐震の物件は、買っても大丈夫ですか?で解説しています。耐火構造ではない鉄骨造は、図面が必ず必要です。図面がないと利用できないので、所在を早めに確かめてください。

直せないことが多いもの(物件の条件)

次の条件は、補修では解決しにくいものです。販売図面と登記で分かることが多いので、内見の前でも確かめられます。

項目基準
接道原則として、一般の道に2m以上接していること
床面積一戸建てなどは50㎡以上、マンションは30㎡以上。車庫やバルコニーは含みません
間取り原則として、2以上の居住室と、台所、トイレ、浴室があること
店舗併用住宅部分の床面積が、全体の2分の1以上あること
構造耐火構造、準耐火構造、または耐久性基準に合うこと。木造は一戸建てか連続建てに限ります
耐震性建築確認日が1981年6月1日以後か、耐震評価基準などに合うこと
マンションの管理管理規約があり、長期修繕計画の期間が20年以上あること

地上2階以下の共同建ては、一戸建てなどに含まれますが、床面積の基準は30㎡以上です。

増築にも注意してください。屋上や庭に部屋を足している家は、図面や登記と実物が違うことがあります。適合証明は建築基準法への適合を証明するものではありませんが、建築基準法に合っていない場合は、融資の対象にならないことがあります。

取れないときの、別の道

適合証明が取れなくても、その家を買えないと決まったわけではありません。

補修して、取り直す

傷みが原因なら、補修のあとに確認を受けます。補修の範囲と費用を先に見積もっておくと、判断しやすくなります。補修工事は、フラット35リノベの工事費に含めることもできます。

検査を省略できる住宅か確かめる

築10年以内で新築時にフラット35を利用した住宅、築20年以内の長期優良住宅、中古マンションらくらくフラット35に該当するマンションなどは、物件検査を省略できます。

別の住宅ローンを検討する

銀行の住宅ローンは、フラット35の適合証明書を求めません。審査の内容は銀行ごとに違うので、住宅ローンの基本もあわせてご覧ください。

別の物件を探す

接道や床面積のように直せない理由で、ほかのローンも難しいときは、早めに切り替えるのも大切な判断です。

契約の前に、確かめておくこと

売買契約のあとに「取れない」と分かると、資金の計画が崩れます。手付金を払う前に、次のことを確かめてください。

  • 建築確認の日付と、登記の床面積
  • 道路に2m以上接しているか
  • 図面や検査済証が残っているか。図面や登記と違う増築がないか
  • 外壁やベランダの裏に、鉄筋の露出やさび汁がないか
  • マンションは、管理規約と長期修繕計画があるか
  • 融資が受けられないときの扱い(ローン特約)。適合証明が取れない場合も対象になるかを、不動産会社に確認

どこで検査を頼めるかはフラット35の適合証明書は、どこで発行してもらえますか?をご覧ください。当事務所では、書類で取れそうかを見る確認は無料です。補修が必要そうかも、あわせてお伝えします。

この記事に関連する質問

基準に合わないところが1つでもあると、取れませんか?

適合証明書は、技術基準のすべてに合う場合に交付されます。ただし、合わない部分を補修して、基準に合うことが確認できれば交付されます。

築年数が古いと、適合証明は取れませんか?

築年数の上限はありません。ただし、建築確認日が1981年5月31日以前の住宅は、機構の耐震評価基準などに合うことの確認が必要です。

図面がありません。取れませんか?

構造によって違います。木造は、床下や小屋裏の点検口などから現地で確認できれば、利用できる場合があります。鉄筋コンクリート造は、検査済証や火災保険証券などで耐火構造と確認できることがあります。耐火構造ではない鉄骨造は、図面が必ず必要です。図面がないと利用できません。

検査済証がないと、取れませんか?

中古住宅では、検査済証がないことだけを理由に取れないわけではありません。ただし、構造を別の書類で確認する必要があります。また、建築基準法に合っていない場合は、融資の対象にならないことがあります。

売主が補修に応じてくれないときは、どうすればいいですか?

引渡しの前は売主の建物なので、売主の了解がなければ補修できません。補修の費用と時期を売買の条件として話し合います。まとまらないときは、フラット35以外の住宅ローンを検討するか、別の物件を探します。

新築のときにフラット35を使った家なら、取り直さなくていいですか?

原則として、中古住宅としての適合証明書が必要です。ただし、築10年以内で新築時にフラット35を利用した住宅などは、物件検査を省略できます。

検査で基準に合わないと分かったら、費用はどうなりますか?

機構の申請書では、検査の途中で基準に合わないと分かった場合は、それ以降の検査を行わず、それまでの費用を精算することがあるとされています。先に書類で見込みを確かめておくと、無駄な費用を防げます。

※この記事は2026年11月5日時点の基準にもとづく一般的な説明です。適合するかどうかは、物件ごとの検査で判断します。融資の審査は金融機関が行います。出典:住宅金融支援機構「対象となる住宅・技術基準」「中古住宅 技術基準・物件検査手続のご案内」「中古住宅物件検査概要書」「中古住宅適合証明申請書」。

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